『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ

こんにちは!やーまんです。

今回はブレイディみかこさん著の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の1と2を両方読了致しましたので感想を綴らせてください!

あらすじ

まず簡単にどんな内容かというと、

イギリスに在住している著者、ブレイディみかこさんの息子さんの学校生活を中心としたエッセイになっています。

小学校まではいわゆる結構「良い所」である公立のカトリック校に行っていた息子さんが、

色々考えて「元底辺中学校」に進学し、彼がそこで目にし、体験し、思ったことなどを、それを母親として近くで見ているブレイディみかこさんの目線で書かれています。

本当に想像よりも素晴らしかった本で見所がたくさんありましたが、特に私が思った見どころは4つあったので

それらを紹介しながら感想を述べていこうと思います。

見所&感想

リアルな英国の階級社会

1つ目はリアルな英国の階級社会です。

私たちは映画とかの影響もあり、何となく英国=優雅みたいな印象があるのではないかと思います。

また、隣の芝は青いと言うように

日本に住んでいると、日本だけ貧しくて、貧富の差もあって不平等だ!的な感じに思いがちですが、

そんな事ないのかもしれないと教えてくれるのがこの本だと思います。

この本を読んで思ったのは、イギリスの階級社会は多様性や平等が謳われている現代でもハッキリと存在している、というか長い歴史の中で完全に慣習となっているんだなという事です。

学校の授業などでもイギリスの階級社会について学んだことがあるので、階級が存在していることは知っていたのですが、

日常を綴ったエッセイの中で見ることでより現実的に感じました。

言葉で表現するのは難しいのですが、、、

日本でも貧富の差があるのは確かですが、露骨に富を持つ人が貧しい人を下に見る的なことは無い、と言うかそれをすると完全に批判対象になると思います。

つまり、国民全体の気持ちとしては平等でいたいという雰囲気があるような。

一方でこの本を読んで私が感じたのは

イギリスでは階級社会が慣習化していて、それぞれの人が自分の階級を受け止めていて

自分の階級をどうにかしよう、ではなくて今の階級でどう生き延びて行くか。

こんな感じで、階級社会があり平等では無いことを前提として生きているのでは無いかなと思いました。

日本と比べたりしてどちらが良いとかではないと思いますが

表面上は発展しキラキラしているように見える先進国にも、その輝きで見えなくなってしまっている苦しむ人たちがいることを忘れてはいけないし考えなければいけないと思いました。

10代から見る大人と社会

2つ目の見どころは10代からみた大人・社会です。

10代の息子さんがイギリスの階級社会で

良いとこの小学校→元底辺中学を経験し現実を目の当たりにする中で

物事の見え方がブレイディみかこさんも含め読者の大人たちとは少し違っていて

逆に学ぶことがたくさんありました。

政治のことについて揉めている大人を見て「あんなの子供の喧嘩と一緒だ」と指摘したり、

労働者階級の父にテストの点数で叱られた時に「俺のようになるな」と言われて、

叱られたのがショックで泣いていると思いきや、

「俺のようになるな」と言わなければならなかった父親が不憫で涙を流していたり、

人種や階級関係なく友達を思い悩んだり涙を流したりと

大人には見えていない、学ぶべきことがたくさんあり、

そして大人は今の事だけではなく、そんな子供達の未来を本当に真剣に考えられているのかな?

など考えさせられました。

政治への関心の違い

3つ目は政治への関心の違いです。

特に本作の2には息子さんの中学で行われている政治に関する教育のことについて多く書かれていました。

環境保護やEU離脱など、大人だけではなく子供も真剣に考えており学校でも話し合いが行われるみたいです。

日本で中学生が政治について話しているところはなかなか見ないですよね。

やはり、どこか政治は大人のことで子供に関係ないという風潮があると思います。

しかし、実際には未来で大きな存在になっていくのは10代を中心にした子供たちです。

環境問題なども無関心で放置し続けて困るのは若い世代なので危機感を持つのは不可欠だと思います。

やはり選挙権が貰える前から政治について学び、関心を持たないと

選挙権を持つ年齢になっても無関心のままになってしまうと思います。

そういった教育については日本も見習うべきではないかなと感じました。

息子さんの成長

最後の4つ目の見どころは息子さんの成長です。

本作を読んだ人はもう全員息子さんが大好きになっているはず。笑

本当に聡明で優しくて良い子なんです、、、!(まるで親戚の子)

友達との関係で悩んだり、差別的なことを言われたり、自分のアイデンティティに悩んだり、、、。

優しくて考えられる頭のいい子だからこそたくさん悩むんだと思います。

そして、そうやって悩みながら成長していく息子さんを本の中で見て行くのが堪らない!

しかも、かなり大人もハッとさせられることを言うんですよね。

私が彼くらいの年齢の時なんて何も考えずにヘラヘラしていたと思います。笑

割と年頃だけど色々とお母さんに相談や質問してくれるのも愛おしい。(母目線)

そして、その悩める息子さんと母のブレイディみかこさんの会話がまたすごく良いんですよね、、、。

本当にいいお母さん。

息子さんは英語しか話せないのですが、日本語しか話せないおじいちゃんと熱い絆で結ばれているようで、

日本帰省の章は結構笑えると言うか、愛に言葉は大して関係ないのかもしれないと思わされます。

これからも健やかに成長してほしい、、、!(完全に親戚のおばさん目線)

まとめ

大人気作品と知っていながらも何故か読んでいなかったこのエッセイ。

もっと早く読んでおけばよかった!と思うくらいよかったです。

パート1を読了してすぐ2を買いに行ったくらいです。笑

2で完結となっていますが是非3も出して欲しい!息子さんの成長がもっと見たい!

と思う人は私だけではないはず。

社会学的でもあり哲学的でもありハートワーミングでもあるこのエッセイ

未読の方は是非読んでみてください!!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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