凪良ゆう『汝、星のごとく』 今だからこそ読むべき。

こんにちは!やーまんです

凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』読了したしました!!

ってことで、感想を綴らせてください!

あらすじ

瀬戸内の小さな島で育った暁海と、

身勝手な母に振り回されて島に引っ越してきた櫂。

親のことをはじめ、共に心に孤独を抱える二人はどうしようもなく惹かれあっていく、、、

感想

★★★★★

星5つですが、、ツラい!!笑

読んでいて非常に苦しくなる物語でした。終始辛かったです。

あらすじからも分かる通り、基本的には恋愛小説と言っていいと思います。

でも暁海と櫂の関係は恋愛という言葉だけでは表せないと思うんです。

それよりもっと複雑で、美しくもあり、切ない感じがしました。

「恋に落ちる」とか「惹かれる」っていうのと

「必要とする」って似ているけど違いますよね。

暁海と櫂は一見すると「本能的に惹かれ合っている」ように感じるんですけど

読んでいるうちに「本能的にお互いを必要としている」のではないかなと思いました。

お互いに空いた穴を必死で埋めようとしている。

けど結局互いに穴は空いているから塞ぎきれないあの感じ。

それは、「いい事」だけではなくてアンヘルシーな面もあると思うんです。

だからこそ強そうで、でも不安定で、読んでいても苦しい、、。

もう、中盤あたりとか

「おいっ!櫂!何をッッ!」と思ったり、

「暁海ちょっとっ、ちょっとだけ待って〜」

みたいな笑

全然上手くいかないやーーんって。笑

最初から最後までずっと心がザワザワして苦しかった、けど素晴らしかったです。

そして、物語ももちろん素晴らしいのですが

物語の中で度々垣間見える、著者の思想だと思われる部分が私は大好きです。

私は凪良ゆうさんの本は『流浪の月』しか未だ読んだことないのですが、

その時も「自分の中に無意識的に存在していた固定概念を覆された」という印象が強く残っていて、

力強く、そして社会への皮肉も込められていたと思います。

今回も、私たち多くの中に、無意識にある常識が崩された、というか

「常識ってなんだと考えさせられる作品でした。

そして物語を通して社会の問題に触れていたと思います。

まず、ヤングケアラー。

私は当事者ではないので、100%は理解できていないかもしれません。(当事者ではないからって不可視化するべきでは絶対ないですよね。)

でも、かなりリアルに描かれていたのではないかなと思います。

「自分の人生を生きるべきだ」と周りから言われるし、自分でも分かっている。

突き放したい。けど、突き放すことなんてできない。

全責任は自分にある。自分がどうにかしないといけない。

そう思うと思うんです。

その葛藤や孤独が描かれていました。

そして、LGBTQ +。

櫂の相方、尚人のことを中心として描かれていました。

受け入れてくれる人たちがいる一方で、そうでない人たちがいる現実。

そして、その人たちの強い同性愛嫌悪。

SNS、そしてアウティングにも触れていたのが印象的でした。

マイノリティの当事者自身が自らマイノリティであることを公に発表することは「カミングアウト」と言いますが

アウティング当事者以外の他者が勝手に当事者がマイノリティであることを第3者などに言うことです。

「いいじゃん別に」とか「どうせみんな知ってるじゃん」とかでは済まされないことです。

あまり一般的に議論されていない大きな問題だと思いますが、(特にSNSの普及に伴って)

それがどれだけ人を傷つける行為か、というの示してくれていたと思います。

あとはP263が本当に全てで、、

「一方で、誰とでも、なにとでも、結婚できればいいのにとも思う。男性同士でも、女性同士でも、ペットでも、物語の登場人物でも、理由が恋や愛以外でも、本人たちがいいなら三人でも四人でも結婚できればいい。結婚しなくても結婚と同じ保障があればいい。籍を入れなくても手術の同意書を書かせてほしい。危篤のときは病室に入れてほしい。遺産を譲りたい人だけにスムーズに譲らせてほしい。名字の変更はしたい人だけがして、しなくてもいい人はそのままでいさせてほしい。他にもある数限りない不便や理不尽がなくなってほしい。」 (p263より引用)

本気で涙が出そうになりました。

是非、今ずっとニュースでやっている差別発言の秘書官や総理に読んでほしい。

なにも感じないのかもしれないけど。

生活保護についても書かれていましたね。

終盤あたり、

ちゃんと税金を納めているのよ。って部分。

病気の時くらい堂々と面倒見てもらえばいいじゃない。って部分。

私の周囲だけかもしれませんが、

生活保護に対する意見が厳しいものが多く感じていて。

生活保護は国民の権利ですよね。私は当然守られるべきだと思います。

って感じでちょっとシリアスというか、

本当に個人的な意見も交えてしまいましたが

苦しくなる物語でもあったけど、

こういった著者のメッセージに優しく包まれる感覚でした。

もうシンプルに凪良ゆうさんという作家さんが好きですね!

そして、つまり、その作家凪良ゆうさんが好きな人も好きです!笑

そしてプロローグで「??」となり、

エピローグで大至急プロローグ読み返しながら、色んな感情で脳内が満たされて

深ァーーーいため息をつきました、、、。

これは心に残り続ける小説ですね〜

皆さんはどう思いましたか?

まだ読んでいない方は是非読んで見てください!

まとめ

いや〜読んでよかったです。

心に深く刻まれました。

読了後、最低数週間はこの物語について深く考えてしまう系の小説でしたね!

本屋大賞ノミネート作ですが皆さんは何位になると思いますか?

私は今のところノミネート作3冊しか読んでいないのですが、

全部違う魅力があるので比較対象なの!?

って感じがしてきてしまって混乱しています。笑

それ言い始めたら元も子もないですね。笑

なにが大賞になるのか、、楽しみです!

最後までありがとうございました!

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